猫の乳腺がん手術前に確認すべき
4つのチェックポイント

このページでは、猫の乳腺がん手術前に確認するべき4つのチェックポイントについて解説いたします。

猫のしこり、乳腺腫瘍、乳がんにおいては早期発見、早期治療がとても大事になります。猫の乳腺腫瘍は悪性度が高く約9割が悪性と言われており、進行・増殖のスピードもとても速いためです。
ここでは、手術前に確認するべき4つの項目をまとめましたので一緒に確認していきましょう。

1. 細胞診(さいぼうしん)は実施したか?

「まずは正体を知るための第一歩」

細胞診とは、しこりに細い針を刺して細胞を吸い出し、顕微鏡で覗く検査です。

なぜやるの?
そのしこりが「炎症」なのか「腫瘍」なのかを、手術前に推測するためです。

注意点
猫の場合、針で取れるわずかな細胞だけでは「良性か悪性か」の確定診断が難しいことも多いです。しかし、手術の方針を立てるための大切なヒントになります。
検査自体は1~2分で終わるので猫ちゃんへの負担がとても少なく検査することができる検査です。

2.ステージングは実施したか?

「がんがどこまで広がっているかの確認」

手術の前に、がんが体内の他の場所に転送していないか、全身の状態を確認することです。主にレントゲン検査や超音波(エコー)検査、血液検査などを行います。

なぜやるの?
もしすでに肺などに転移している場合、手術の内容や、そもそも手術をすべきかどうかの判断が変わってくるからです。「敵の陣地を把握する」ための非常に重要なプロセスです。

3. 術式(手術範囲)を確認したか?

「再発を防ぐための作戦会議」

猫の乳がんは非常に広がりやすいため、しこりだけを取るのではなく、乳腺をまるごと(片側、あるいは両側すべて)切除する「乳腺全摘出」が一般的です。

なぜ確認が必要?
「しこりだけ取ればいいと思っていたのに、お腹を大きく切ることになった」というショックを避けるためです。

ポイント
猫の乳がんは、小さなしこりであっても乳腺全体がつながっているため、広範囲に切る方が再発率を下げられるというデータがあります。先生に「どこからどこまで切るのか」を事前に図で見せてもらうと安心です。

4. 病理検査(びょうりけんさ)を実施するか?

「手術後の答え合わせと、これからの指針」

手術で取った組織を専門の検査機関に出し、顕微鏡で詳しく調べる検査です。

なぜやるの?


これが「最終診断」になります。

・悪性度はどのくらいか?(がんの勢い)

・取り切れているか?(切除した端っこにがん細胞が残っていないか)

・血管やリンパ管に入り込んでいないか?

この結果次第で、手術後に抗がん剤治療が必要かどうか、再発の可能性がどのくらいあるかを判断します。「取って終わり」ではなく、その後の猫ちゃんの生活を守るための大切な検査です。

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専門領域は、腫瘍学、血液学、肝胆道膵疾患。特に難治性のリンパ腫や肥満細胞腫、免疫介在性疾患の治療において豊富な実績を持つ。 第一種放射線取扱主任者の資格も持ち、画像診断(レントゲン・超音波)による緻密な診断を基軸とした治療戦略を得意とする。近年では、脂肪幹細胞を用いた再生医療や、副作用の少ない免疫療法を積極的に導入。麻布大学小動物内科学研究室の共同研究員も務め、常に最新の獣医医療を臨床現場に還元し続けている。